スーパームーンをスーパーに撮る

さてみなさん。
5月5日の夜から翌6日の朝にかけて、
地球と月の距離が近くなり、かつ満月になるという
「スーパームーン」と呼ばれる現象が観測されます。

そんなスーパームーンをスーパーなムーンに見えるように撮影するための
ちょっとした工夫をご紹介しましょう。

まずやってしまいがちな失敗例を模型で再現してみましょう。
こちら。

「おー、満月!…で、どこがスーパーなの?」

これは比較対象物がないために大きさがいまいちピンとこない失敗です。

それでは比較対象物を画角に入れてみましょう。
ここでは例としてNASAのスペースシャトルをいれてみましょう。
スペースシャトルと撮った満月の写真がこちら。

「スーパームーン…あ、まあこんなもんなんだね。」

所詮は月。
14%増しで大きく見えるとはいえ、35万キロも離れていたら
迫力のサイズで撮れないのは当然です。

この失敗の原因はなんなのか。
実はこの撮影者、けっこうスペースシャトルの近くで撮影していたんですね。

同じ物を同じ大きさで撮る場合において、
・実際に歩いて近くに行って撮影する
・遠くから望遠レンズで拡大して撮影する
この2つの方法では背景の写り方が大きく異なります。

実際に近くに行って撮影した場合は、背景は小さく、しかし広い範囲の背景が写ります。
広大な花畑を背景に記念写真を撮りたい場合はこちらがおすすめ。

一方で、遠くから望遠レンズで拡大して撮影すると
背景の一部が切り取られて大きく写ります。
周りの花が汚くて、きれいな花がピンポイントでしかない!
という場合は、背景をがっつり切り落とせるのでこちらがおすすめ。

今回は背景も大きく撮りたいわけですから望遠で撮影する必要があります。
(よく「ズームで撮影する」なんて言いますが、あれは単語の誤用です。)
望遠で撮ると、スペースシャトルも大きくなってしまいますから
ある程度離れていく必要も生じてきます。

ではスペースシャトルから離れてみましょう。
こんなかんじ。

スペースシャトルと月の位置関係がおかしいんじゃないの?
とツッコミが入りそうですが、35万キロ離れた月に対して
地球上でどれだけ動こうが、見かけの大きさはそうそう変わらないので
まあ模型レベルでOKとします。

スペースシャトルから距離をとって望遠で撮った写真がこちら。

さっきにくらべて月が大きく写りました!

一眼レフなどだと、がんがん望遠レンズを入れて撮れますが
コンパクトデジタルカメラでは望遠にも限界があります。

そんなときは迷わずトリミング(切り取り)をしましょう。

写真のかなりの面積を月が占めてるおかげで迫力がでてきました!
まあ、トリミングもカメラの性能で限界はありますがね…

スーパームーンを撮るための簡単なテクニックはざっとこんな感じです。

ちょっと高いところに上がって、できるだけ遠くの建物を画角に入れながら月を撮る!
いま見えてる状態を切り取るのだと思えば、イメージしやすいですかね。
超遠くの家の屋根と同じくらいの月の写真とかいいですね。

今夜はちょっと空気が悪かったので、明日の朝にでももう一度狙おうかと思ってます。

おわり。

追記:2012/05/05 23:58 漢字の誤りを修正

投稿者:

さんごう

さんごう研究所所長。ソーラーカーのドライバー、あと電気エンジニア。そこそこカメラマン。自宅サーバを立てた理由はサイトに広告が表示されるのが嫌だったから。

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